クリニックブログ

2019.09.30更新

妊娠・授乳中の喫煙、受動喫煙、飲酒は、赤ちゃんの成長に影響を与えます。禁煙、禁酒に努め、周囲にも協力を求めましょう。

●妊娠中にたばこを吸うことによって高まる様々なリスク

 

 kitsuen

・周産期死亡
妊娠22週以降の死産や新生児死亡(生後28日以内の死亡)、乳幼児突然死症候群(SIDS:sudden infant death syndrome)

・上位胎盤早期剥離
常位胎盤早期剥離とは、正常な位置に付着している(常位)胎盤が、分娩終了するより早い時期(早期)に剥がれてしまう(剥離)病気です。妊娠中、常にはたらいているはずの胎盤が、胎児がお腹のなかにいる間に子宮から剥がれてしまうと、母体から胎児への酸素供給が閉ざされて、赤ちゃんの状態が急激に悪くなってしまいます。

・前置胎盤
胎盤が正常より低い位置(膣に近い側)に付着してしまい、胎盤が子宮の出口(内子宮口)の一部/全部を覆っている状態を「前置胎盤」といいます。通常、経膣分娩(下からのお産)では赤ちゃん→胎盤の順に出てきますが、前置胎盤では、胎盤が赤ちゃんよりも下(膣)側にあります。胎盤→赤ちゃんの順に下から出てしまうと、胎盤が出る時に大出血してしまい、また、胎盤が出た時点で赤ちゃんは「胎盤からの栄養が途切れ」「自分はまだ子宮内にいるから呼吸もできず」という状態になってしまいます。したがって、前置胎盤の場合には、ほぼ100%が帝王切開分娩です。

・前期破水
陣痛が起こる前(分娩開始前)に卵膜が破れ、羊水が流出したものを前期破水(PROM)といいます。破水にも種類がありますが、破水の仕方によっては子宮内感染などを起こす可能性があります。

・切迫早産
日本では妊娠22週0日から妊娠36週6日を「早産」と言います。(妊娠22週未満の出産は「流産」といい、「早産」とは区別されます)妊娠22週で生まれた場合、早産となりますが赤ちゃんの体重は500 g前後で長期間の新生児医療(新生児集中治療室での治療)が必要となり、また、早く生まれた赤ちゃんほど、後で重篤な障害が出現する可能性が高くなります。切迫早産とは、「早産」の一歩手前のことを言います。
切迫早産のリスクも喫煙することにより高まるといわれています。

 

●米国での研究報告によると
米国で行われた研究によると妊娠中に喫煙することにより、先天性指異常(手や足の指の多指症、少指症、無指症、合指症)の発生確率も高くなるとされています。
1日に吸うたばこの本数が、1-10本で1.29倍、11-20本で1.38倍、21本以上で1.78倍と本数が増えれば増えるほどそのリスクは高まります。
口唇裂(先天性にくちびるに亀裂が見られる異常)、口蓋裂(先天性に口の中の天井にあたる部分に亀裂が見られる異常)も1.34倍とリスクが高まることが報告されています。

 

●妊娠中にアルコールを接種することにより高まるリスク
妊娠中にアルコールを接種すると、胎盤を通過し、胎児細胞の増殖や発達を阻害し、流産、死産、先天異常の発生確率が高まると考えられています。

先天性異常としては
・子宮内胎児発育遅延ならびに成長障害
・精神遅滞や多動症などの中枢神経障害
・特異顔貌、小頭症など頭蓋顔面奇形
・心奇形、関節異常などの種々の奇形
を引き起こすとされています。

妊娠と知らずにアルコール類を少量飲んだ程度であればさほど問題がないともいわれており、不用意に不安になる必要はありませんが、安全量が確立されていないため、禁酒を行って頂くことを強く推めています。

 

参照)


日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=5

日本産婦人科医会
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/insyu.htm

横浜市母子手帳

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-02h.pdf

横浜市 こどもの受動喫煙について
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/eiken/hokenjoho/wadai/childets.html)

投稿者: おおいウィメンズクリニック

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